ワキガってどんなニオイ?臭いを放つメカニズムと対策方法
近年では、ワキガに悩む人が増えていると言われていますが、一方で自身がワキガ体質であることを自覚していない人も多いもの。
ひと口にワキガと言っても臭いの強さには差があるため、症状が軽い場合は自身の臭いに気が付きにくいのです。一般的には、ワキガは汗の臭いとは異なり、特有の臭いがあると言われています。ワキガ特有の臭いとは、一体どのようなものなのでしょうか。
今回は、ワキガ臭の種類やメカニズム、対策方法などをまとめてご紹介いたします。
ワキガ特有の臭いってどんなもの?
人それぞれ体臭が異なるようにワキガの臭いも人によって違いがあり、いくつかの種類があります。一般的には、玉ねぎや鉛筆の芯、香辛料、お酢、雑巾など、さまざまな臭いに例えられています。
また、ワキガ体質ではない人の汗はムワッとこもったような臭いがしますが、ワキガの臭いはつんとした刺激臭であることも特徴です。
ワキガのメカニズムとは?
ワキガ特有の臭いは、アポクリン腺という汗腺から分泌される汗が原因です。
汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺という2つの種類があり、エクリン腺から分泌される汗はほとんどが水分であるのに対し、アポクリン腺から分泌される汗はタンパク質や脂質、アンモニアなどが含まれています。さまざまな成分が混ざっているため、臭いが強くなるのです。
このアポクリン腺は、誰にでもあるものですが、ワキガ体質の方は数が多くサイズも大きいのが特徴です。生まれたときから数は決まっているため増減はしませんが、サイズは成長にともなって大きくなっていきます。そのため、ワキガの臭いが気になり始めるのは、アポクリン腺が大きくなり活動を始める思春期頃が多いと言われています。
ワキガの臭いが発生するメカニズムとは?
ワキガ臭の原因がアポクリン腺から分泌される汗にあることは説明しましたが、実は汗そのものは無臭です。
肌に存在する常在菌が、汗に含まれているタンパク質や脂質、アンモニアなどの成分を分解することで、ワキガ特有の臭いが発生します。
また、エクリン腺から分泌された無臭の汗が蒸発するときに、アポクリン腺の汗の臭いが広まってしまうこともワキガ臭を強く感じる原因になります。
ワキガの改善方法とは?
気になるワキガ臭を改善するためには、デオドラントの使用や手術などさまざまな方法があります。デオドラントの使用は手軽ですが、日々の習慣として継続的に行わなければならないため、面倒であることがデメリットとして挙げられます。また、デオドラントの効果が切れたときにはワキガ臭が発生することにも注意が必要です。
手術を行うと、アポクリン腺の除去ができるため、高いレベルでワキガ臭を防ぐことができます。手術の方法にもさまざまなものがありますが、種類によっては傷跡が残ったり再発したりする可能性もあります。手術となると、費用やダウンタイムなどの心配もあるため、気軽に行うことができないのがデメリットと言えるでしょう。
これに対し、今注目されているのが「ボトックス注射」です。皮膚を切開せずに注射だけで発汗が抑えられるため、傷跡やダウンタイムの心配が少ないのも魅力です。また、施術時間は、わずか5分ほどという手軽さもメリットの1つ。個人差はありますが、1度の注入で効果が半年ほど持続するため、汗の分泌が気になる暑い時期に1度施術を行えば、春夏の間は発汗が抑制できます。
ワキガ臭は、自身だけでなく周囲に迷惑をかける場合もあります。しかし、臭いの問題はデリケートであることから、周囲の人々も指摘しにくいもの。
自分のためはもちろん周囲へのエチケットも兼ねて、手軽なボトックス注射で臭いの抑制をしましょう。